アルジャーノンに魔王

May 9, 1998
夜、父親に抱きかかえられて闇の中馬を走らせた。
父親の奴、魔王をたなびく霧だといってやがったがきっとうそにちがいねェ。
俺たちをばかにしやがって。


May 9, 1998
今、魔王から一緒においでと頼まれた。
面白い遊びをしてくれるそうだ。
岸辺にきれいな花が咲いてるってんで、ちょっと迷ったら、奴ら、金の服を用意して
母親自慢したあげくやっと誘いやがる。


May 10, 1998
深夜2時頃、ごく普通の服を着た父親に突然たたき起こされて俺もひしと
抱きかかえられた。なんでも、枯葉が風にざわめいているだけらしい。
父親ときたら、夜も寝ないで馬ばかり走らせてるからこんな事になるんだ。


May 10, 1998
さっきからこのいまいましい父親に抱かれたままなんで、頭が締め付けられて妙に痛い。
いらいらするんで、腹いせにあの魔王どもの声を無視してやった。
いい気味だ。


May 10, 1998
あまりに魔王がこわいんで父親にいったら、適当に誤魔化された。
それから、もういいから黙って寝ろと父親がいった。
おかげで今夜はよく眠れそうだぜ。


May 10, 1998
今起きたら、魔王だけでなく魔王の娘もでてきてやがった。
父親がやけに静かなんで、魔王の娘がいるって教えてやったら全然反応しねえ。
魔王が何か言ったくらいでビビりやがって。
魔王の娘に見つかったらもてなしてもらえそうだ。


May 10, 1998
さっき、見た魔王の娘はふるいしだれ、柳のみき、て はなしだ。
夜、まおうが こわいこわい。
魔王のいうこと きいてたら あいしているよ坊やといわれた。
いったいおれ どうな て


May 10, 1998
やと まおう いった も とてもこわい
今 またまおうきたの、まおう ちからずく つれてく


May 10, 1998
おとうさん おとうさん まおうーきた
ひどいめにあわせるんで にげ
こわかっ です。


10
すでに
しんでた